手練のスケッチ・ピーター・ラヴゼイ:絞首台までご一緒に
2010-10-23


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ラヴゼイというと、本当に練達の書き手、というか、プロの作家、というか(これは形容になっていない?)、本の著者の写真に使われているタキシードを着てもとってもよくお似合いナンバーワンというか(全く形容になっていない?)、とにかく読み手を楽しませてくれる安心作家という印象が強いです。

ダイヤモンド警部のような現代モノも書いていますが、歴史ミステリーが得意な作家、という言い方ができるでしょう。
この作品もなんたって19世紀のロンドンです。
これだけでもワクワクものですが、更にこの作品においては、当時とても流行ったらしい”ボートの三人男”という小説を下敷きにして、その小説をたどる旅をしている三人組を配しつつ、その三人組を追いかけるクリッブたちの行動を通して当時のロンドンあたりを描写しつつ、さらにこの”ボートの三人男”という作品を紹介する、という凝った作りになっています。

ただ、油ギッシュなダイヤモンドに比べると、こちらのクリッブ刑事はそこまででもなく、また、今作ではクリッブを凌ぐ活躍を見せるハリエットという女学生とクリッブとの絡みも期待ほどは進みません。
まあ、当時の女学生にそれを求めてはいけないのかもしれませんが。

安心して楽しめる作品ではありますが、個人的にはダイヤモンド警部シリーズに比べると、あそこまでぐいぐいと書き込んだ、という印象ではなく、軽いスケッチをさらさらと描いた、という印象です。
そのスケッチも、実はとってもレベルが高いんですけれどね。
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